ノスタルジック2days-マツダR360クーペ-

「可愛い~♪」飛び交っているのは見学者の女性や子供の声である、1960年に東洋工業がオート3輪から4輪デビューした車なのだが、この車はちょっと変わってる


周囲の展示車両は新車かと思うぐらいピッカピカなのにサビだらけである。左の写真を

良く見て欲しい、ナンバープレートの右上の大きなサビは照明が反射して光っている、

 

普段からサビを良く見ている人ならわかると思うが、サビの表面はザラザラして凹凸が多いため艶消しになりこのような反射の仕方はしない。そうこれはサビの進行を止めた後で上からクリア塗装している。

 

塗装技術に詳しい人なら「ちょっとかわってる」と表現した意味がわかったかもしれない、通常サビの表面にクリアを塗装して光沢を出すには相当塗り重ねないとこのような状態にならない。それより塗膜にちじれやシワが出て汚い仕上がりになってしまう。


 

レストアの手法にも様々あると思うが、何十年もかかって出来たサビはある意味その車の歴史を物語っていて「すばらしい」。サビ取り剤屋が言うのもおかしいが、取らないサビが物語る何かがそこにあるような気がする。

 

実はこのR360は山梨県の「復元カレラ」さんがレストアした作品で、RSR-2を使って頂いているお客様でもある、この車にもマフラーなど使って頂いた様子がノスタルジックヒーロー誌に掲載されている。少しでもお役に立てたようで現車を見たときはすごく嬉しかった。

 

「可愛い~♪」から「すばらしい」まで詰まったR360でした。